【丹東観光】門外不出の北朝鮮の生ビールを飲みに行こう【朝鲜3啤酒坊】
中朝国境の街、丹東。
ここには数多くの朝鮮料理を出す店があるが、今回は門外不出と噂の北朝鮮生ビールを出す店があると聞いたので訪れてみた。
基本情報

| 店名 | 朝鲜3啤酒坊 |
| 所在地 | 滨江中路L区60号 |
| 営業時間 | 11:00-23:00 |
| 予算 | 1人100-200元 |
今回訪れたのは朝鲜3啤酒坊というお店だ。
丹東には土地柄北朝鮮レストランは数多くあるが、大同河生ビールが飲めるのはここだけらしい。
GoogleMapでは鴻運焼烤という潰れたお店になっているが、 百度地図等の中国製地図アプリで「朝鲜3啤酒坊」と入力するとしっかりサジェストされる。

マンションの中庭?らしき空間を抜け店内に入ると、1階は受付となっていた。


店内では北朝鮮物産がお土産として並んでおり、大同河ビールももちろん購入できるようだ。
北朝鮮ビールは店内醸造?

入って驚いたのは受付の後ろにあったビールの醸造設備だ。
小規模だが本格的な設備が整っており、これが1階の多くの面積を占めていた。
おそらく、生ビールは北朝鮮で製造しているのではなく自家製造したものを本国のレシピに則り製造しているのだろう。
受付で人数を伝えると若い女性ウェイターが2階へ案内してくれる。
その際に国籍を聞かれたが、おそらく敵性人の韓国人は入店禁止なのだろう(パスポートの提示等は無かった)


店内にはビールの広告が多数飾られており、社会主義下の広告にしては随分洗練されている印象を受けた。

最近オープンしたのか内装は綺麗で、カウンター席も備えた本格派ビアホールだ。
金曜の21時頃訪れたが、客はまばらで私含め3組しか居なかった。
北朝鮮のビール事情

ビールのレビューをする前に、北朝鮮ビールの基礎知識をWikipediaベースでお伝えしたい。
北朝鮮は実はビール大国である。
理由としては先の首領様、金正日がビール党だったらしく国内に10以上のブランドがあるそうだ。
中でも有名な大同江ビールは英国の醸造場の施設を一式買い付けて製造しているというのだから、力の入れようが分かるだろう。
今回訪れた朝鲜3啤酒坊は大同江ビールが経営していると噂される店舗なので、同銘柄がそろっているそうだ。
大同江ビールには種類により番号が付けられており、以下の通り整理できるらしい。
| 名称 | 原料 | 概要 |
| 大同江ビール① | 大麦麦芽/ホップ | ポピュラーなラガービール |
| 大同江ビール② | 大麦麦芽/米/ホップ | 海外にも輸出されている |
| 大同江ビール③ | 大麦麦芽50%/米50% | ③以下は北朝鮮でしか買えない |
| 大同江ビール④ | 大麦麦芽30%/米70% | ③の原料配合比率違い |
| 大同江ビール⑤ | 米 | ライスビール |
| 大同江ビール⑥ | 原料不明 | 黒ビールで苦みが先立つ |
| 大同江ビール⑦ | 原料不明 | 黒ビールで甘みが先立つ |
大同江1ブランドでも7種類も作られていることに驚くし、米のみのライスビールやスタウト(黒ビール)だけでも2種類製造するなど、「北朝鮮=物資不足」という固定観念を打ち壊すようなラインナップだ。
丹東市内の北朝鮮レストランでは大抵、大同江②の瓶ビールか平壌ビールという瓶ビールを提供する店が多かったが、果たして朝鲜3啤酒坊のラインナップはいかに。
早速北朝鮮ビールと食事を堪能
着席すると、浅漬けや小魚等が入ったお通し的な小鉢が配られた(結構うまい)
1杯目を何にするか迷っていたところ、ウェイターから大同河5号を薦められたので注文してみる。

22元(約450円)と中国にしては安くは無い。
しかし味は抜群に旨く、風味的におそらくIPAだろう。
Wikipediaには5号ビールはライスビールとあったので、優しい味わいかなと思っていたが普通にホップの苦みと香りを楽しめるビールに仕上がっていた。
正直中国製のビールよりも格段に旨く、将軍様が愛したビールというのも嘘ではないなと感じた。(中国のビールは薄い)

1杯目を楽しんでいる間にオーダーした焼肉が来た。
80元(約1600円)なので安くは無いが、ボリュームがあるので妥当な価格といったところか。
炭火の香りが漂う肉とにんにくを荏胡麻の葉で巻いて食べるとこれがまた格別。
パリッとしたえごまに柔らかい肉の食感、それにニンニクと炭火のパンチが効くのだからビールに合わない訳がない。
もさもさと焼肉を食べていたら、グラスが直ぐ空になったので2杯目を注文する。

こちらは7号ビール、黒ビールで値段5号ビール同様22元。
味は軽めの黒ビールという感じで、泡のクリーミーさからも、恐らくラガーのスタウトビールだろう(キリンの黒生ビールに近い)
ギネス的な濃厚な味わいを想像してして飲んだので少し期待外れだったが、決して悪くはないし食事にも合う。

焼肉を食べ終わったのでつまみとして干鮑と豆腐の煮物を注文。
鮑が入ってるとは言え煮物で39元(約800円)は高いなぁ、と思っていたらめちゃくちゃデカかった…
確かに鮑の出汁が効いており美味しいのだが、いかんせん量が多くこれだけで満腹になってしまった。

最後にメニューの一番上にあった1号ビールを注文。
48元(約960円)と日本で飲むクラフトビール並みの強気価格だが、正直味は普通のラガービール(美味しいけどね)
個人的好みの問題だが、仮にどちらか一つを選ぶなら最初に飲んだ5号ビールを勧めたい。
恐らく大同河醸造所のフラッグシップという位置付なので高価なのだろう。

1号ビールと同時に来たサービスのすいかを食べて食事終了。
豆腐が思ったより多く、すっかり満腹になってしまった。
会計は250元(約5000円)と1人の食事にしては高いが、飲み食いした量を考えれば妥当か。
その他気になった点など

北朝鮮レストランというと若干アングラな施設というイメージがあったが、朝鲜3啤酒坊は至って普通のビアホールだ。
若いお姉ちゃん北朝鮮人店員に朝鮮料理というフォーマットは崩れていないが、恐らくショーは無いし写真や動画を撮っていても怒られないし、従来のモノよりカジュアルな印象を受ける。

北朝鮮色を前面に押し出している訳でもないので、良くも悪くも北朝鮮らしさが脱色されたレストランだなぁと感じた。
比較的入りやすく北朝鮮以外では原則飲めない様々な種類の大同河ビールが飲めるので、丹東に行き北朝鮮の食に興味があれば是非訪れてみてほしい。
まあ丹東に北朝鮮目当て以外で行く人間は稀だろうが…
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