【2022戦時下ロシア旅行記】2日目 ムルマンスクを観光【ヤマル航空搭乗記】
2022年2月17日から26日までにかけてロシアを旅行してきました。
コロナ禍+旅行中に開戦という踏んだり蹴ったりの旅行となってしまいましたが、そんな2022年の少し懐かしい雰囲気を感じて頂ければ幸いです。
本記事は2月18日、モスクワからムルマンスクへ移動し刊行した2日目の旅行記となります。
1日目の羽田-モスクワシェレメーチェヴォ直行便(JL49)の搭乗編はこちら。
6時半 キタイゴーラドからドモジェドボ空港
深夜に到着したホステルで仮眠をした後、6時半ごろ起床。
睡眠時間が短く眠いが、10:40の飛行機でムルマンスクへ飛ぶためにキタイゴーラド駅から地下鉄に乗りドモジェドボ空港に向かう。
現在はエアポートエクスプレスという空港直通線が運航しているようだが、2022年はコロナ禍ということもあってか検索しても乗り換え案内には出てこなかった。
ちなみに、ロシアや旧ソ連圏で乗り換え検索をする際はGoogleMapよりもYandexMapや2GISといったアプリの方が役に立つ。
駅でトロイカカード(モスクワ版スイカ)をゲット。
ТРОИКА(トロイカ)とは3頭立ての馬車を指す単語だ。
通勤ラッシュの時間帯なのか地下鉄は少し混んでいた。
トレチャコフスカヤ駅で降りノヴォクズネクツスカヤ駅からメトロ2番線に乗り換える。
8:30頃ドモジェドフスカヤ駅で降り、308番のマルシュルートカ(乗合タクシー)に乗って空港に向かおうとするが…
到着時にキャッシュや両替をしていなかったので、支払いに使う現金が無く乗ることが出来なかった。(現金は少額でも用意しておこう!)
時間に余裕が無いかったのでダッシュで近くのATMに行きキャッシングをするも、高額紙幣の5000ルーブル札が出てきてしまった。
1本目のマルシュでは運転手は釣りが無いと言われ乗れなかったが、次に来たマルシュでは周りの乗客が両替してくれ無事に乗ることが出来た。
確か150ルーブル程度(225円)だったかと思う。
9時半 ドモジェドボ空港到着
1時間程車に揺られ空港に到着。
ギリギリでチェックインを済ませ搭乗口へ向かう。
空港内は国内線ターミナルながら免税店やレストランがあるなど、さながら国際線の搭乗口のようだった。
10時半 ムルマンスクへヤマル航空で飛ぶ
今回撮ったチケットはヤマロ・ネネツ自治管区のサレハルドを拠点にするヤマル航空という、日本では聞き馴染みのない航空会社だった。
チケットは預け荷物込みで5496ルーブル(約8200円)だった。
バスで沖止めの機体に乗る。
モスクワからムルマンスクは2時間程度の距離だ。
機体は3列3列の短,中距離用仕様のA320だ。
特に機内エンターテインメントサービスなども無く、LCCっぽい感じだった。
真ん中座席かつ両隣共に大男という最悪なシチュエーションだったが、前日の睡眠不足が幸いしてフライト中は爆睡することが出来た。
機内サービスは水しかないようだったが、コップのデザインがかわいらしい。
旧ソ連圏特有の着陸時の拍手も聞くことができた。
13時 ムルマンスク到着
モスクワとは打って変わって一面雪景色である。
おまけに氷点下+強風とあってめちゃくちゃに寒い。
どうやら、乗った飛行機が旅行会社のチャーター便だったらしくタラップを降りるとなぜかカメラクルーが待ち構えていた。
他の人のムルマンスク滞在記を読むと空港や駅で職質されたとの記載があったが、今回の旅で私は一度も職質に遭遇しなかった。
凍死する前にYandexでタクシーを呼び市内へ向かう。454ルーブル(約700円)
市街地に入る前に、一応有名らしいムルマンスクのモニュメントの前で降ろしてもらう。
結構交通量があるが、タイミングを見て真下まで行って見る。
北緯68度58分東経33度03分を示している。
当たり前だがモニュメントの真下はめちゃくちゃに雪が積もっており、凍って堅いだろうと思い足を踏み入れたところ、深雪にずっぽり足を突っ込むことになってしまった。
しかし、気温が低く粉雪なせいかびしょびしょに濡れてしまうことは無く助かった。
塔の周囲には英雄都市 ムルマンスクという物々しい碑があった。
英雄都市とは第二次世界大戦(大祖国戦争)における激戦地を指す言葉で、モスクワやレニングラード、キエフなど12都市が指定されていた。
このような戦争系のモニュメントは旧ソ連圏では至るところにあるので、いかに大祖国戦争がソ連の思想的支柱となっていたかが分かる。
20分ほど滞在していたら寒すぎて耳がちぎれそうなほど痛くなってきたので、バスで市内を目指す。
周囲にはモニュメント以外特にこれと言って何もないので、あえて向かう価値は無いと思った。
市内のバスは35ルーブル(約50円)で乗車できるのだが、またもや小銭が無く集金係のおばさんに札を渡したことを受け取ってもらえなかった。(ロシアのバスには車掌おばちゃんが乗っており集金業務などを行う)
困り果てていたところ、そのおばさんが携帯を端末にタッチしろと言うのでApplePayを起動しタッチしたところなんと決済が通った。
最初はQuickPayが使えたのかと思い驚いたが、どうもVisaのタッチ決済に対応しているようだった。
14時半 ムルマンスク市内観光
バスでムルマンスク中心街に到着。
2月だというのにクリスマスツリーが飾ってあるのは怠惰すぎる気もするが…
ムルマンスク市の市章は船に魚というモチーフで結構かわいらしい(もろウクライナカラーである)
市内の見どころはそこまでなく、どちらかと言うとオーロラだったり自然のアクティビティを楽しむ街なのだが、今回は滞在時間が1日も無いので市内散策に留まった。
ショッピングモールなどもあるにはあるのだが、街の規模間的には釧路駅前が思い起こされるような寂しさがあった。
(旧)世界最北のマクドナルドへ
朝から何も食べてないので、一応観光名所のマクドナルドへ。
どうも世界で最も北に位置するマクドナルドらしい。(日本の最北は稚内店)
何の変哲もないビックマックセットで325ルーブル(約490円)だった。
ちなみにウクライナ侵攻後、マクドナルドはロシアから撤退したので今は無い。
16時 原子力船レーニンへ
マックで昼飯を済ませ、原子力船レーニンへ向かう。
冬に凍結してしまう北極海航路を利用するために作られた世界で初めての原子力を機関とした船舶らしい。
後述するアリョーシャ像と並ぶムルマンスクの二大観光スポットである。(それぐらいしか無い)
ムルマンスク駅の横にある跨線橋を渡りレーニンのある港に向かう。
蒸気機関車が展示されている。
駅から10分ぐらいで到着すると、既に入場するために人が並んでいた。
列に加わりクソ吹雪の中16時の入場開始を待つが、時間になっても列が少し進んだだけで一向に進まない。
列の先頭を見てみると客と警備員が揉めており、どうもコロナ対策で人数制限をしているからもう入れないみたいなことを言っている。
HPにもそんなことは書いていなかったのに入場制限を課すとはふざけた国だ。
入れない物は仕方がないので、外から写真を撮って終了となった。
ちなみに港にも大祖国戦争の記念碑があった。
ムルマンスク駅構内にある蒸気機関車
先ほど跨線橋から見えた蒸気機関車を観に行ってみる。
L4386という蒸気機関車らしく、正面の赤い星がかっこいい。
横には"ムルマンスクと鉄道 100周年"という標語が書いてあった。
17時 アリョーシャの像へ
なんだかんだで既に17時を回り本格的に寒くなってきたが、アリョーシャの像へ向かう。
アリョーシャの像とは、ムルマンスクにおけるドイツとの戦いでの戦没者慰霊碑である。
先ほどクリスマスツリーが飾ってあったアジムットホテル前のバス停から5番バスに乗り、像の最寄りのПроезд Ивана Халатина(プロイェズド イワナ ハラチナ)で降りる。
バス停から10分ほど登り坂を上るのだが、寒い上に結構遠くてしんどい。
しばらく上ると像が見えてきた。
デカすぎんだろ…
それもそのはず、台座を含めると40m以上らしい。
足元には永遠の炎がともる。
周囲には高射砲やモニュメントなどがあったが、日も落ちて本格的に寒くなってきており、じっくり見て回る気にはならなかった。
また、本来なら景色もいいらしいのだが吹雪いておりあまり見えなかった。
ちなみに晴れていると市内からでもオーロラが見えるらしいが、当然見えることは無かった。
軽く見て回り、これまた凍死する前にバス停に戻る。
スーパーでコーラを購入しタクシーを呼び駅まで戻る。
北極圏でもコーラはコーラであった。
18時半 駅前食堂で夕食
寒さで体力も削がれたので、駅前にあったPELMEN HOUSEという食堂に入り夕食を食べることに。
外の雪一色の景色とは打って変わって、温かみのある洒落た店内である。
何を血迷ったか店名にもなっているペリメニ(ロシア版水餃子)を頼まず、ブリヌイ(ロシア版おかずパンケーキ),スープ,サラダ,ビールを注文。
全部で619ルーブル(約930円)だった。
ロシアは基本的に何を食べても美味しいので、飯に困ることは無い。
店の外に出てみると、通りの名前が"コミンテルン"で「あぁ、ロシアに来たんだなぁ」ということを改めて実感した。
19時 ムルマンスク駅からサンクトペテルブルクへ出発
夜のムルマンスク駅はライトアップされており美しい。
今回の旅ではビザ申請の際に、滞在都市としてムルマンスクを記載しなかったので宿泊せずに街を出る。
日帰り滞在であればビザ申請時に記載は必要ないらしい。(滞在都市の記載が無くても問題ないとの記載もネットで見つけたが、面倒事になったら嫌なので素直に街を出る)
私が乗るのは19:35発のモスクワ行きАрктика(アルクティカ)北極号だ。
費用は2400ルーブル(3600円)で所要時間は26時間という、人生でも中々乗る機会の無いであろう長距離列車だ。
19時35分、定刻通りに列車は出発し一路サンクトペテルブルクを目指す。
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